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はんだ付けに光を! 加湿器によるカルシウム成長とショートの事例(2020

明けましておめでとうございます。 はんだ付け職人です。
本年もよろしくお願いいたします。

「昔のはんだ付け職人」様から、この季節によく使用される
加湿器による不具合の事例を教えていただきましたのでシェアさせていただきます。

※※※※※ 以下 「昔のはんだ付け職人」様の文面です。※※※※※

加湿器によるカルシウム成長とショートの事例

30年以上前の話です。

当時、産業機器用の計測装置を製造しておりました。
電源はDC48VとかDC110Vとかでした。
(直流電源です)

ある時、電話があり、「装置から煙が出た、どうなっているんだ!」とお叱りをいただきました。

電子機器としての設計では考えにくい現象なのですが、代替品出荷、該当機器の回収と
ドタバタ対応を行いました。
問題の筐体を開けると、端子台から配線で入ってきている電源入力の負極側から
発火した跡が観測されました。

基板自体はUL不燃材料なのでボヤで終わってました。
過去数年間、100台以上出荷してそんなクレームは発生していません。

ましてや、発火点は電線と基板のパターンだけで他に怪しい部品はなく原因はわからない状態でした。

ふと、環境条件が気になり調べて見ると、この機種は本来無人の制御盤室に収容されていて、
外気循環の冷却だけで使用されていました。

ところが該当機は、コンパクトに事務所の片隅に盤を立てて運転。
人間様がいる環境なので冷暖房完備です。

これだけなら安全サイドなのですが、冬場は乾燥対策で超音波加湿器をガンガン使用されてしました。
加湿用水は、市水、つまり街の上水道そのままでした。

ここまで判ってくると、お気づきでしょうか?

原因は上水道に含まれるカルシウムが、カルシウムイオンCa+となり超音波加湿器で水にとけた形で
空気中に放出され、それが基板上の負極に、マイグレーションよろしく成長し、
正極側まで成長した時点でクスブリ始めたのでした。

現在、地方公共団体で供給されている上水の水質観測記録は、ネット上で公開されていますので
カルシウムの溶存量は簡単に知ることができます。

当時はその街の水道局に問い合わせて調べましたが、濃度は高めでいした。

念のために、焼損した基板と、製造直後の基板サンプルを、SEMで分析すると、
カルシウムが焼損基板のみに確認されました。
ここまで状況がわかればお客様に説明ができました。

超音波加湿器にカルシウムを含む市水を使用したことにより、空気中に飛散したカルシウム成分が
該当機器の基板内に侵入し、負極付近に堆積、限度を超えたところで、
絶縁破壊、漏洩電流による発熱で発火したものです。

お客様が調べたところによりますと、他の機器でもカルシウム堆積の白いものが見られたとのことでした。

さて、対策ですが、お客様サイドで、大量に蒸留水を使用されているので、
超音波加湿器に使用する水を市水から切り替えていただきました。
その後、白い付着物は見られなくなりました。

この季節、あちこちで超音波加湿器が使わています。
壁のコンセントは交流なので選択的にカルシウムが付着することはないですが、
やはり気を付けないと思わぬところで事故にいたります。

使用する水質に注意を払えば大丈夫です。本格的には市水をイオン交換樹脂で
処理することになりますが、近所のスーパーでほぼ無料のおいしい水(限外濾過装置処理水)を
汲むのも手軽な解決方法です。

****************************ここまで******************************

いかがだったでしょうか?

弊社でも超音波加湿器を水道水を入れて使用しております。
そういえば、加湿器の水が溜まるところにも、白いカルシウムが析出したものが
多量に付着しています。

こうしたものが、空気中に漂って、基板上に滞積すると
発火まで至らなくても、PCなどがダメージを受ける可能性は大きいです。

そういえば、修理のために送られてくる基板にも白い付着物が付いているものがあり、
「水没もして無さそうなのに、何かな?」と思ったことが何度かありました。

今から思うと、これも加湿器によるカルシウム成分だったのかもしれません。

このように、想像もしていないところから発生する不具合があるということを
「昔のはんだ付け職人」様に教えていただきました。

お役に立てば幸いです。
では、明るいはんだ付けを!

 

 

 

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