名古屋市にて「はんだ付け講習・検定」を開催!
2026年3月12日と13日の二日間、愛知県職業訓練会館にてNPO日本はんだ付け協会の講習・検定を開催いたしました。受講いただいた皆様、本当にお疲れ様でした。
講習後、皆様からいただいたアンケートを拝見しました。「おっ、なるほど」と膝を打つような気づきや、現場の切実な声が詰まっていましたので、いくつかピックアップしてご紹介しながら、私の視点で解説を加えたいと思います。

1. 「我流」から「正しい理論」への脱却
「これまで我流でやっていたが、講習に参加して正しいはんだ付け方法を学ぶことができました」
実は、はんだ付けに従事する方の約99%が何らかの誤解をしているのではないか、と私は考えています 。はんだ付けは単に「金属を融かして固める接着剤」のようなものではありません。母材とスズが反応してできる、わずか1〜3μmの「合金層」こそが接合の正体です 。この原理を知るだけで、道具の当て方や熱の伝え方がガラリと変わります 。

2. 未経験の部品への挑戦と基礎の習得
「基礎が学べ、今まで触れたことのない部品を実装することができて良かったです」
「細やかな技術を丁寧に教えて頂き、技術を向上することができたと思います」
最近は0603Mや0402Mといった、肉眼では判別が難しいほどの微細なチップ部品も増えています 。これらは自動機での実装を前提としていますが、試作や修理では人間の手で行う必要があります 。基礎さえしっかりしていれば、こうした未知の部品に対しても「熱容量をどう確保するか」「フラックスをどう活かすか」という仮説を立てて挑めるようになります 。
3. 「たまにある業務」だからこそ、確かな技術を
「業務ではあまりしないが、たまにあるので受講できて良かったです」
はんだ付けは、ISO9001において「特殊工程」に位置付けられています 。これは「見た目だけで品質が判断できない技術」という意味です 。たまにしか行わない作業こそ、自己流の「イモはんだ」で深刻な不具合を招くリスクが高いものです 。万が一の際に、自信を持って「約250℃・約3秒」という理想の景色を再現できる技術を身につけておくことは、プロとして非常に大きな強みになります 。
4. 現場教育のアップデート
「職場の教育資料が古く、今回受講して気づく点があったので資料を変更したいと思います」
これは素晴らしいですね!はんだ付け技術は今もなお進化を続けています 。特に鉛フリーはんだの導入以降、昔の常識(コテ先温度を高く設定するなど)は通用しなくなっています 。
- 360℃の壁:360℃を超えるとコテ先が急速に酸化し、熱が伝わらなくなります 。
- はさみはんだ:母材を先に熱しすぎず、糸はんだを溶かしながら熱を伝える手法が今の主流です 。 ぜひ、最新の知見を現場の標準に反映させてください。

5. 「実技時間が足りない」という声について
「作業に時間がかかり、実技時間が足りないと思いました」
このご意見も真摯に受け止めています。はんだ付けは「感覚の技術」でもあります 。焦るとフラックスを飛ばしすぎてオーバーヒートを招いたり、逆にはんだ量が過少になったりします 。 もし、「もっと練習したい」と感じられたら、当協会ではeラーニングやDVD教材も用意しています 。映像で「正しい融け方の景色」を繰り返し目に焼き付けることで、手の動きが自然と最適化され、作業スピードも確実に上がっていきます 。
はんだ付けは奥が深く、学べば学ぶほど「光」が見えてくる面白い技術です 。今回受講された皆様が、それぞれの現場で「はんだ付け職人」として胸を張って活躍されることを願っています。
お役に立てば幸いです。
はんだ付けに光を!









はんだ付け検定 認定者在籍マークは、はんだ付け検定合格者が在籍しており、はんだ付け作業に従事していることを当協会が認定したことを示すマークです。