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はんだ付けに光を!(2015.12.4 オーバーヒート)

ハンダ付け(半田付け)職人の はんだ付けblog:はんだ付けに光を!(2015.12.4 オーバーヒート) – livedoor Blog(ブログ)

こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、オーバーヒートについてのお話です。

というのも、はんだ付けの講習会でお話していて、
オーバーヒートについての認識を持っておられる方が
とても少ないことに気づいたからです。

「えっ!これ、オーバーヒートなんですか?」
という方がとても多いんですね。

先日の高度ポリテクセンターでの検定で、実際にはんだ付けされた
教材(ラグ端子)の写真を4つ並べました。

良いものから順に、オーバーヒートに到るものまでを並べました。
違いがわかるでしょうか?

オーバーヒート0

オーバーヒート1

オーバーヒート2

オーバーヒート4

ラグ端子のはんだ付けは、おそらく皆さん「簡単だ!」と
お考えだと思いますが、半数くらいの方にオーバーヒートの
兆候が現れています。

ラグ端子は、フラックスの洗浄を行なわないので
フラックスの状態を観察すると、熱の掛け具合が良くわかります。

フラックスの重要な役割のひとつに、
「溶けたはんだと母材の表面を覆って、酸化を防ぐ」があります。

はんだ付けは、フラックスが活性化している短い間に、
はんだと母材の温度を約250℃まで上げて、
約3秒間の条件を作り出す必要があります。

この意識がない方は、フラックスの活性化している時間を
超えて加熱してしまったり、
(※熱を効率よく伝えられない)

母材と溶けたはんだの温度が250℃を超えるほどに
加熱してしまうため、
(※糸はんだの供給が遅くて、溶けたはんだの温度が上がってしまう)

オーバーヒートを起こしてしまいます。

では、写真を見てみましょう。

①の写真は、はんだの表面がフラックスの薄い膜で覆われている
良いはんだ付けの写真です。

②の写真は、部分的にフラックスの膜が破れ始めていますが、
まだ、酸化にまでは到っていない状態です。

③の写真は、フラックスの膜が破れて少し時間が経過したため、
フラックスが茶色く変色し、はんだ表面が酸化し始め、
凸凹、ザラザラが現れ始めています。
この部分は、既に脆くなっているはずです。

④の写真は、さらに加熱したため、フラックスは焼け焦げており、
被覆が焼け、はんだ表面が白く酸化して、表面がザラザラに
変質しています。

はんだの内部では、合金層が成長しすぎて、スズと銅原子が
拡散し、原子の空孔ができて脆くなっているはずです。

③④のはんだ付けの出来栄えであれば、
「フラックスがちょっと焦げたなあ~」程度の認識しか
無い方も多いのではないでしょうか。

肉眼では、わからないですが、顕微鏡などで拡大すると、
コネクタのはんだ付けや基板実装でも、同様のことが
多数起こっていることがわかります。

実体顕微鏡などで、はんだ付け部を6~10倍に拡大して
観察することは、確実にスキルをUPしてくれます。

ぜひ、お試しください。

では、明るいはんだ付けを!

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