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はんだ付けに光を!表面実装部品は手はんだ禁止?(2017.6.16)

こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、「表面実装部品はハンダゴテで手はんだしては
いけないのか?」という疑問にお答えします。

この質問、ちょくちょくお受けします。

このメルマガをお読みの方の中にも、
「表面実装部品の手はんだ付けは禁止されている」
会社があるのではないでしょうか?
この誤解はどこから発生しているかと言うと、
セラミックコンデンサやLED製造メーカーの
はんだ付け実装に関する仕様書です。

そこには、たいていリフロー炉の温度条件や
⊿Tは、○○℃以下で・・といった表記があり、

ハンダゴテではんだ付けする際の条件も、
同じ条件が指定されています。

例:250~260℃の温度条件で・・⊿Tは、○○℃以下で・・

さらには、ハンダゴテで実装を行なった場合には
実装後の品質は一切保証しない・・
との記述がある場合もあります。

これを読んだユーザーが、
「表面実装部品はハンダゴテで手はんだしてはいけない。」
と解釈しても無理はありません。

部品メーカーが、なぜこんなことを書いているか?を
考えてみますと、

背景には、はんだ付けの正しい基礎知識を持たない
未熟な作業者が表面実装部品をハンダゴテによって
手実装することによって部品が壊れ、

製品の不具合が発生して、その責任の所在が
問われることが多々あったことが挙げられます。

残念ながら現在でも、はんだ付けの正しい基礎知識が
広く世の中に浸透しているとは言えず、

「普通にはんだ付けしたのに壊れた」
と言われると、部品メーカーからは反論することが
難しいことは想像がつきます。
(勘違いしている人のほうが多数派ですので)

そこで、部品メーカーは、手はんだ付けする場合の
条件をリフローと同一条件にして明示し、
「手はんだ付けした場合は、品質を保証しない」
ことにしたわけです。
しかし、本当は正しい知識と技術を持った作業者であれば
表面実装部品は、手はんだ付け可能です。

宇宙開発や航空機、防衛などの分野では
逆に技術者による手はんだ付けで、1点づつ実装が
行なわれています。

ですので、未熟な作業者による
「表面実装部品の手はんだ付けは禁止されている」
というふうに解釈するのが正解です。

例えば、こちらにQFPを手実装している動画がありますが、

コテ先は基板面とリードの先端部に触れるだけで
1秒も加熱しません。本体部分にも熱を加えませんので
電子部品には、たいへん優しいはんだ付けです。
では、明るいはんだ付けを!

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